ロンドン世界選手権男子10000m決勝:誰にも負けないモー・ファラー“厳しい戦い”を制して10個目の金メダルを獲得!

2012年のロンドンオリンピック、男子10000mの種目において、初の国際大会での金メダルを獲得してから5年、イギリス代表のモー・ファラーは同じロンドンスタジアムのトラックに戻ってきて、彼にとってのトラック種目で最後の世界選手権で見事優勝を果たした。ホームストレッチで後続を引き離し、26:49.51のタイムでフィニッシュ。大興奮の60,000人の観客に金メダルを贈った。

今回のレースでは、アフリカ勢が入れ替わりでペースを上げたため、ファラーはこれまでの世界選手権の10000mのレースと比べても、もっと速いペースで走らなければならなかった。しかし、2011年大邱世界選手権の5000mで、ファラーが初めてトラックでタイトルを獲得して以来いつもそうであるように、ファラーはアフリカ勢の挑戦状を受ける準備が十分にできていた。

ファラーは残り640mで先頭に立つと、彼はその手を緩めなかった。この地点から、スタジアムは熱狂の渦に。そして、イギリスの英雄は、また1つ金メダルを届けたのだ。

ウガンダの20歳のジョシュア・チェプテゲイが26:49.94で銀メダルを獲得した。彼は1周目を61.02で走り、優勝を狙っている走りを積極的に見せていた。シニアレベルでは初めての国際舞台でのメダルとなる。ポール・タヌイ(26:50.60)が3位に入り、世界選手権で3回連続の銅メダルとなった。

しかし、このレースは限界などないと言わんばかりの素晴らしいファラーのレースだった。ファラーは34歳、男子10000mにおいては最も年長であるが、彼は2011年以来では最も速いタイムで走り、それは2014年以前のトレーニングパートナーであったゲーレン・ラップが出したアメリカ記録以来、誰よりも速いタイムで走った。

ロンドンオリンピックとリオオリンピックでの2大会連続での2冠達成により、ファラーもすでに伝説の選手であるが、彼がこれまで獲得してきた金メダルの数は驚異的である。トラックの国際大会(世界選手権+オリンピック)で10個の金メダル、それはケネニサ・ベケレよりも2つ、ハイレ・ゲブレセラシエよりも4つ多いことになる。男子選手の中で見ても、世界選手権だけのトータルで見れば、ファラーの6つより多く金メダルを獲得しているのはウサイン・ボルト (100m×3+200×4+リレー×4=11個の金メダル)だけである。

そして、ファラーがこれらの偉業を成し遂げたのは“ある転機”がきっかけだったと言える。ファラーは28歳まで世界大会で6位より上位に入ったことがなかった。しかし、2011年にアルベルト・サラザールのチーム (ナイキ・オレゴン・プロジェクト)に参加してから、彼は負けない選手になった

ファラーは間違いなく “ALL-TIME GREAT” な選手だ!

ファラーが10000mでの勝利を収めた後、彼が陸上界のレジェンド達の中でどのぐらいの順位になるのか、ということを考えてしまうだろう。ファラーは間違いなく、男子長距離選手の中においても素晴らしい走りを今回の世界選手権でやり遂げた。今回の勝利は、彼自身、世界選手権で6回目の優勝となった。個人種目でファラーより勝っている選手は、ウサイン・ボルトただ1人のみ (7回)だ。世界選手権でファラーと同じく6回優勝しているのは、マイケル・ジョンソンとセルゲイ・ブブカの2人のみである

ファラーは陸上界の歴史を見ても素晴らしい選手なのは間違いないが、それでも全盛期のベケレには及ばないだろう

BBCのコメンテーターは、今回のファラーの勝利を

「最もタフなレースでの勝利」

と表現した。アフリカ勢が持てる全てを投じてファラー崩しを試みたからだ。しかし、ファラーはいつものように“勝利”を成し遂げた。

今回のレースはファラーにとっては当然の結果だったと言えるだろう。ファラーは素晴らしい選手だが、それでもなお2003年のケネニサ・ベケレを抜くことはできなかった。2003年パリ世界選手権と2017年ロンドン世界選手権には多くの類似点がある。

優勝タイムは2つのレースとも、26:49だった

最後の1000mは両方のレースで2:29だった

1番大きな違いは、ベケレは後半の5000mとラスト1周を、今回のファラーよりも、より速いペースで走ったということだ。

ファラーの今回の優勝タイムは26:49。後半5000mは13:13 (前半13:36)、ラスト2周のラップタイムは61.92+55.63=1:57.55

2003年のベケレと比べてみよう。

ベケレは、後半5000mを12:57 (前半13:52)、ラスト2周のラップタイムは61.7+54.9=1:56.6だった。

12:57!ベケレはそれを簡単にやってのけた(ように見えた)。多くの選手を周回遅れにし、2レーンでゴールした。

ロンドン世界選手権前の3週間、フォン・ロムでの濃密な合宿

ファラーは今年1500m以外のレースでは全勝しているが、7月9日のミューラーアニバーサリーゲーム (ロンドンDL)でロンドンを訪れた際の調子は、彼が望むものではなかった。だから、ファラーはヨーロッパでのいつものトレーニング場所である南フランス、ピレネー山脈のフォン・ロムに向かい、3週間の高地トレーニングを開始した。彼がロンドンに戻る頃、金メダルと獲りに行く準備が整ったことを、彼自身感じていたようだ。

2週間前の彼のトレーニングは、1000m×8本、その後400mを何本か。ファラーはペースについては教えてくれなかったが、聞いたところだと400mを50秒以下で何本かこなしたようだ。34歳の10000mの選手にとってはあり得ないほどのペースだ。

「かなりの練習を積んだと感じている。それには満足だ。特に変わった練習ではないが、ここ3週間のトレーニングは上手くいっていた。このレースに向けてどんどん強くなっていっていると感じてたよ」

ファラーが以前

「この段階で望むべき調子にはなっていないが、いい方向には進んでいるし、本番には調子が揃ってるように願う」

と言った時は、世間の注目を集めたが、今回のレース前の報道陣の見方は、彼が(ロンドン世界選手権後の)チューリッヒDLの5000mへの出場を決めたことから、今は好調であるとの予想をしていた。もしファラーがもっといい記録を追い求める気がないのであれば、このロンドン世界選手権を彼のトラックキャリアの最後のレースとするのも簡単だったはずだ。

 

【ロンドン世界選手権男子10000m決勝:レース動画】

POS BIB ATHLETE MARK DETAIL
1 954 Mohamed FARAHGBR 26:49.51 WL
2 1356 Joshua Kiprui CHEPTEGEIUGA 26:49.94 PB
3 1148 Paul Kipngetich TANUIKEN 26:50.60 SB
4 1142 Bedan Karoki MUCHIRIKEN 26:52.12 PB
5 908 Jemal YIMERETH 26:56.11 PB
6 1130 Geoffrey Kipsang KAMWORORKEN 26:57.77 SB
7 898 Abadi HADISETH 26:59.19 SB
8 749 Mohammed AHMEDCAN 27:02.35 NR
9 1416 Shadrack KIPCHIRCHIRUSA 27:07.55 PB
10 894 Andamlak BELIHUETH 27:08.94 PB
11 852 Aron KIFLEERI 27:09.92 PB
12 735 Abraham Naibei CHEROBENBRN 27:11.08 NR
13 1417 Leonard Essau KORIRUSA 27:20.18 PB
14 1363 Timothy TOROITICHUGA 27:21.09 PB
15 1425 Hassan MEADUSA 27:32.49 PB
16 1222 Zane ROBERTSONNZL 27:48.59 SB
17 853 Hiskel TEWELDEERI 27:49.62 SB
18 1359 Moses Martin KURONGUGA 27:50.71
19 685 Onesphore NZIKWINKUNDABDI 28:09.98 PB
20 1277 Stephen MOKOKARSA 28:14.67 SB
21 845 Bayron PIEDRAECU 28:50.72 SB
22 655 Patrick TIERNANAUS 29:23.72
849 Nguse AMLOSOMERI DNF
1341 Polat Kemboi ARIKANTUR DNF

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2017/08/unbeatable-amazing-mo-farah-wins-10000-2017-worlds-earns-10th-global-gold-toughest-race-life/

 

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