ソンドレ・モーエンのトレーニングその①【ハーフ59:48】

10月22日、好記録が続出したバレンシアハーフで欧州歴代2位の59:48で4位に入った(→レッツラン・ジャパン記事)ノルウェー人長距離ランナー、ソンドレ・ノルスタッド・モーエン12月3日の福岡国際マラソンを2:05:48の欧州新記録&非アフリカ系ランナー史上初の公認コースでの2:06:00切りで優勝)の躍進がレッツラン掲示板でも話題になりました。

現在モーエンは、ケニアに住むイタリア人フリーランスコーチ、レナート・カノーバの指導を受けており、今回もカノーバコーチ本人がレッツランの掲示板でモーエンのトレーニングについて解説、具体的な練習メニューについて語っています。

以下、カノーバ本人がレッツランの掲示板に書き込んだ内容の翻訳

——————————————————————-

まずソンドレについて説明したい。

ソンドレ(それとノルウェー5000m代表シンドレ・ブレアスも)の事はだいぶ前から知っていて、彼は私が自分の家を所有しているイテンのケリオビューホテルに4週間ほど滞在していた。2016年の10月、ソンドレから、

「私の前のコーチが活動をやめたので、自分に対してコーチングすることに興味はあるか」

というメールが私に来た。私は彼の提案を受け入れることにして、私の根本的な考えを彼に明かした。

1.) 私はアフリカの選手の優位性は遺伝ではなく、練習の雰囲気やトレーニング条件の違いだと考えている(高地、大きなトレーニンググループ、精神的な限界を作らない(決めない)こと、身体の感覚を重視すること)。ソンドレには高地に長い期間住んで、より快適に感じて“ケニア人”のようになる必要があると伝えた

2.) 私は、彼が私の練習計画を信じて、完全な動機付けとなるようなプランを明確にした。ソンドレは既に(2016年10月の段階で)マラソンを2:12台で走り、リオオリンピックでも19位と悪くない順位で走ったが、中距離(トラックの5000mなど)の自己記録は更新できていなかった。私は彼をトップレベルのマラソン選手として育成することを視野に入れ、中距離のスピード改善を基本目標に置いた。

3.) トレーニングだけを信じること。私は長い距離を走っている時の※マルトデキストリンは別にして、最高のアスリートとなるためにはサプリメントを一切使って欲しくない。アスリートは精神的に強くなり、人として自分自身を信じ、また外的援助に頼らないこと。それを許してしまうと精神的な限界を作りだすこととなる。

(※ エネルギージェルの中でも主成分が「マルトデキストリン」のものは、素早くエネルギーになりながら血糖値を一定に保ち長く持続する)

4.) ケニアから離れている時(レースや、例えばサンモリッツなどヨーロッパの高地での練習や調整などの時)も、完全な練習内容を私に伝えること。※この点については、ヨーロッパの選手はアフリカの選手に比べて大きな利点を持つ。

エリウド・キプチョゲのような例外は除いて = Breaking2チームは彼の分析に時間を割いた)

ソンドレにとっては多くの経済国の選手もそうであるようにコンピューターやスマートフォンを使って、トレーニングやその時の感情といったあらゆる状況を書くのは普通のことだ。アフリカの選手は通常分析はしない(興味がない = それはコーチがすることだと委ねているので、私が実際にいる時と、私のプログラムでアシスタントコーチの下で指導する時で大きな違いがある。

彼の当時の状況をよく知るために、まずは2016年の10月のレースを使った。10月の終わりにバレンシアハーフを63:06(13位)で走り、それほど良い状態ではなかった。

 

その後、次のような高地トレーニングの計画を作成した。

ページ【】【▶︎

ソンドレ・モーエンのトレーニングその①【ハーフ59:48】」への13件のフィードバック

  1. ピンバック: ソンドレ・ モーエンのトレーニングその②【練習メニュー詳細】 – LetsRun.com Japan

  2. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその③【補足の説明について】 – LetsRun.com Japan

  3. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその②【練習メニュー詳細】 – LetsRun.com Japan

  4. ピンバック: 静岡|アウトドアフィットネス|パーソナルトレーニング|非アフリカ系で初の2時間6分切り、日本人離れした大迫傑、ナイキズームフライなど。示唆に富んだ福岡国際マラソン | Bermudan Fit

  5. ピンバック: 福岡国際マラソン:ノルウェーのソンドレ・モーエンが欧州新記録の2:05:48で優勝し、非アフリカ系ランナー初の2:05台に突入 – LetsRun.com Japan

  6. ピンバック: コーチ・カノーバ:福岡国際マラソンのソンドレ・モーエンに関するコメントについて – LetsRun.com Japan

  7. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその④【バレンシアハーフ(59:48)後から福岡国際マラソン(2:05:48)までの6週間のトレーニングメニュー】 – LetsRun.com Japan

  8. ピンバック: レナート・カノーバ、日本式マラソントレーニングについて語る – LetsRun.com Japan

  9. ピンバック: 女子マラソン世界記録の2:15.25:ポーラ・ラドクリフのトレーニングメニュー  – LetsRun.com Japan

  10. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその②【練習メニュー詳細】 – LetsRun.com Japan

  11. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその③【補足の説明について】 – LetsRun.com Japan

  12. ピンバック: ソンドレ・モーエンのトレーニングその④【バレンシアハーフ(59:48)後から福岡国際マラソン(2:05:48)までの6週間のトレーニングメニュー】 – LetsRun.com Japan

  13. ピンバック: ケニア選手ってどれ位はしってるの? – SAKAIDEN

コメントを残す